"All about (?)
Ocarina"

by Ryohei TOMOEDA

土、水、火、風

自然界の四大元素と

人が一体となって奏でる

それがオカリナの音色

それは大地の息吹

"All about (?)
Ocarina"

by Ryohei TOMOEDA

土、水、火、風

自然界の四大元素と

人が一体となって奏でる

それがオカリナの音色

それは大地の息吹

〜 Ryohei TOMOEDA 〜

由 来

オカリナは、粘土を焼いて作られます。

このような「土笛」は、古来世界中で様々な形で作られていました。

「オカリナ」と呼ばれる土笛が初めに作られたのはイタリアです。

 (※ 詳しくは拙ブログ「オカリナ誕生ストーリア」をごらんください)

オカリナは、西洋音楽に適した音階を出すことができる楽器「オカリーナ」として誕生しました。

そして今も進化を続けています。

個 性

粘土の質や成形の仕方、焼き方によって、様々な音色が生まれます。

よく通る音色、やわらかな音色、張りがある音色、包み込むような音色・・・

ふたつとして同じ音色のオカリナはないと言っても過言ではありません。

また、吹き手、吹き方によっても音色はかなり変化します。

演奏音源(オカリナ一人多重奏)

Ocarinas played & arranged by Ryohei TOMOEDA



聖地エルサレム/Solo〜Duo Performance by R.T.

ドナウ川のさざなみ/Ocarina Trio by R.T.

焼物として

オカリナを焼く温度は、700℃から800℃くらいが一般的です。

これは、茶碗や皿などの陶器よりは少し低い温度です。

ですので、陶芸上は「陶器」ではなく「土器」に分類されます

 

この焼き方は「素焼き」と呼ばれます。

陶芸では、素焼きしたものをもう一度「本焼き」して陶磁器を作ります。

素焼きは吸水性と通気性にすぐれています。

このことは、管楽器の大敵である結露を防ぐことにたいへん有効になっています。

(※ 本焼きのオカリナも少数ですが作られています)

 

焼きあがったオカリナには、彩色が施されるのが一般的です。

彩色は、オカリナを傷や汚れから守り、また持ちやすくします。

パステルカラーから漆塗りのような仕上げまで、様々な色で楽しませてくれています。

また、藁灰などといっしょに焼いて、真っ黒に仕上げる技法もあります。

 

焼きあがった後、必ず吹き口だけは無害な塗料などでコーティングされます。

こうすることで、演奏の際に唇が吹き口にくっついてしまうことを防ぎます。

スペック

オカリナは、リコーダーなどの笛と同じく、開けられた穴を指で押さえて音階を出します。

それらの穴は「指穴」「サウンドホール」などと呼ばれます。

スタンダードなオカリナには、10個から12個の指穴が開けられています。

これらの指穴をコントロールすることで、1オクターブ + 長6度(計長13度)ほどの音域で演奏することができます。

 

大小様々なオカリナが作られています。

大きいほど音は低く、小さいほど高くなります。

大きいものはバスやコントラバス、小さいものはソプラノやソプラニーノと呼ばれるものがあります。

それらのオカリナをすべて使って合奏すると、5オクターブ近い音域をカバーすることができます。

イタリアで誕生した当時は、オカリナ五重奏団が国中にオカリナを広めました。

 

近年、2オクターブ以上の音域を持つオカリナも作られるようになりました。

それらのオカリナは、吹き口を2個ないし3個持っています。

いわば2本か3本のオカリナを合体させたような構造です。

従来の形では、オカリナの構造・原理上どうしても音域を広げることに限界があります。

 

オカリナはこれからも少しずつ姿を変え、進化していくことでしょう。

R.T. 編曲の楽譜の一部

魅力とむずかしさ

オカリナは、音を出すこと自体はとても簡単な笛です。

フルートや尺八は音を出すまでが一苦労ですが、オカリナはくわえて息を入れればすぐに音を出すことができます。

ただし、的確なビッチ(音程)で美しい音色を出すことは、他の管楽器と比べてもかなり難しいものです。

また、強弱の変化をつけることにも年季がいります。

 

運指もかなりトリッキーな動きが求められることがあります。

それに、持ち方・支え方にかなり工夫が求められます。

 

難しいところも多いオカリナですが、いい音で合奏ができたときには、たとえようもない豊かなサウンドが生まれます。

ノンビブラートで多声部のピッチがぴたりとそろったときには、まるでオルガンのような厚みと温かさがある音色になります。

よく響く場所で吹けば、独奏でも天界の調べのようなメロディーになります。

 

こんな風に奥が深いオカリナの素性を一言で表せば「きょうから吹けて、一生吹ける笛」だと言えそうです。

世界のオカリナ事情

現在オカリナは、発祥の地イタリアから遠く離れた東アジアにもたくさんの根を下ろしています。

日本、韓国、台湾、中国ではたいへん多くの愛好家がオカリナを楽しんでいます。

オカリナの工房もずいぶん増え、それぞれが個性的でクォリティの高いオカリナを世に送り出し続けています。

もちろんプロの演奏家も多く、またオカリナの先生も各地で頑張ってます。

そんなビビッドなオカリナシーンから、素晴らしい演奏家や素晴らしい音色、画期的な構造を持つオカリナが誕生してきました。

 

日本のオカリナシーンの課題は、愛好家の高齢化です。

もっと多くの若い世代の参入が望まれます。

普及のためには、演奏家と作家のいっそうのがんばりも求められていることでせう。

そんな中、親子でオカリナを楽しむ人も少しずつ増えてきたのはうれしいことです。

Ryohei TOMOEDA, ocarina_sg

Ocarina "Soprano-G"